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過去のついったアイコンを晒してみる。


原作もなんだか文章が肌に合わないのか読み進めず、アニメも思い出したときにだけ見てた…とかいうdrrr!!のシズイザがちょっと今気になっています。なんでだろう…キャラですかね…。

つづきに、ちょっと前に書いて放置してたやつを置いておきます。が続いています。続きがいつアップできるのか分からない代物なので、そんなの読みたくないという方は避けてください。すみません…><もうこんなのばっかだ私…

+ + + + + + + + + +

***


すきなひと1



「カンセル、話があるんだけど」
 同僚と連れ立って社内食堂へと移動する途中のエレベーターホール前。
 背後から唐突に呼ばれて、カンセルは足を止めてゆっくりと振り返った。
 顔を見ないまでも、それが誰なのか声を聴いたらすぐにわかった。
「ザックス」
 カンセルと同期のソルジャー、ザックス・フェアだ。けれどその友人の表情を見て「あれ?」と思う。いつもの快活さはなりを潜め、眉間に皺なんかを寄せて、ちょっと難しい顔をしている。そんな表情をしている彼は珍しいなとカンセルは首をひねった。
「どうした?」
「だから話が、ある」
 ザックスの声が意外に硬く、深刻そうな色を含んでいたので、カンセルは同行していた同僚を先に行かせると、人気のないホールの脇に移動して、改めてザックスに向き直った。
「話って何」
「カンセル、おまえさ…」
 ザックスがそこで言いよどむ。
 視線を床に落として腰に手を当て、しばらく何かを迷う素振りを見せてから、再び顔を上げてカンセルを見た。
 カンセルはのんびりとザックスの口から次に何が出るのかを想像しながら待っていた。いつもの彼らしくない様子に興味がわく。どんな言葉がその口から飛び出すのかと好奇心がわいた。
 だが、やけに真剣に、緊張感さえ漂う彼から発せられた次の言葉は、カンセルが想像していたどれもがかすりもしない突拍子もないものだった。

「おまえ、クラウドのことどう思う? 告白されたって付き合う気なんてないよな?」

 カンセルの思考が一瞬停止する。
 付き合うって、つまり「そういう意味」で「付き合う」ってことをさしているんだよな、この場合。友達としてではなく、ぶっちゃけ恋愛という意味で。
「……は?」
 何を言ってるんだおまえ。
 意味を理解してもなお、カンセルは驚きから回復できずに口をぽかんとあけたままだった。
 ザックスも話し方が唐突過ぎたと気づいたのか、気まずげに首の裏を指でかきながら慌てて言葉を足した。
「いや、その…昨日な、クラウドがおまえのことを急に話して、それで、付き合うんならおまえみたいなヤツがいいって言いやがって…」
「俺みたいな…?」
 カンセルは、話題に上がった金髪碧眼の神羅カンパニー所属の一般兵の姿を脳裏に思い描いた。目の前のこの友人が、傍から見るとちょっと異常なほどに入れ込んでいるように見える自分達よりは年下の少年だ。
 カンセルとクラウドはザックスを挟んでの付き合いで、特別に親しいだとか、これまでに印象に残るやりとりがあっただとかいうことはなかった。
 カンセルからしてみれば、クラウドはザックスの友人で、片手で余るくらいの回数しか顔を合わせたこともないし、印象だって顔立ちの整った子だよなあとか控えめな(悪く言えば地味な)性格だったよな…という、それぐらいのぼんやりした存在だった。
 そのクラウドの口からカンセルの名前が出たのは少々意外だ。
(二人の会話の中のどういう流れで俺の名前が出たんだろう?)
 カンセルはこの話題に少し興味を持った。
「なあカンセル、どうなんだ。おまえばりばりへテロだからそんな気全然ねえよな。ていうかさ、俺よりもおまえのほうがいいってクラウド酷くね?」
「…クラウドが、ザックスより俺のほうがいいって言ったのか? でもそれって、別に彼、本気で俺と付き合いたいって思って言ったんじゃないんじゃないか。引き合いに出しただけで」
「え…」
「おまえと付き合うんだったら俺とのほうがマシ、とかそれくらいのノリじゃないかってことだよ」
「う…、や、そ…。って、待て、それはそれで問題だ」
「賢明な言い分だろ。日ごろのおまえのそこら辺の行いを胸に手を当ててよーく思い返してみろ。友達はちゃんと見るところは見てるってことじゃないのか」
 おまえ、ガールフレンドが何人いるんだ。今月だけで何人とデートしたんだ。
 ザックスの広い交友関係の一端を覗いては、カンセルは感嘆せずにはいられない。そこまで異性に情熱を傾けられるのはある種の才能か。
「俺は常に自分の気持ちに誠実に生きてる!」
「衝動に忠実に、の間違いだろサル」
「なんだとーーっ」
 ひとしきりじゃれあうようなやりとりをしたあと、ザックスはふくれっ面で、じとりとカンセルを睨んだ。
「だからつまり…俺が許せないのは、おまえよりよっぽど仲がいい俺を差し置いて、クラウドがおまえを選んだってことで…」
「……」
 そんなザックスを、カンセルは目を細めて見つめた。
 まあ言いたいことは分かる。
 選択肢の題材がどうであれ、誰よりも親しいと信じていた友人に選んでもらえなかったことが、悔しかったり心がもやっとするのだろう。
 だがそんなザックスをはたから見ていると…
(むしろおまえのヘテロ宣言のほうが疑いたくなるっての)
 大きな広い心と目でもって見ていても、最近のザックスのクラウドに対するこだわりぶりは、カンセルから見ても、少し友人の範疇からは度が過ぎてはみ出ていると感じないこともなかった。
 よほど二人の気が合うのかとカンセルは受け取っていたが、今回の件でのザックスのこの騒ぎようは、やはり友情以上の何がしかが存在するのかもしれないと勘ぐりたくもなる。
 衝動に忠実に行動するヤツが相手なら、もしかしたらということもあり得る。クラウドの身も心配してやる必要があるのかもしれない。…と考えたところで、ふとカンセルの頭に疑問が浮かんだ。
 ザックスはこうでも――果たして、クラウドのほうはどうなのだろうか。この男のことをどう思っているのだろう。
(…少し探ってみるか)
 もちろん親切心からではない。純粋な興味だった。
 さして親しくもないクラウドの口から自分の名前が出たということの詳しい経緯も知りたい。クラウドがどういうつもりでカンセルを選んだのか――。
「…会ってみようかな」
「は…? なんだって?」
 カンセルの呟きをザックスは聞き逃さなかった。
 カンセルはザックスに意味ありげな視線を送る。
「いや、おまえほどではないとしても、俺もあの一般兵には少し興味があったんだ」
 多少芝居がかった仕草に口調だったかもしれないが、まあそれぐらいがザックス相手には丁度いいだろう。
「今度ゆっくり話してみたい。悪いがザックス、彼と会う段取りをつけてくれないか」
 案の定ザックスはくわっと目をむいて噛み付いてきた。分かりやすいヤツだなと思う。
「ななな何言ってんだよ!? だめ! だめだめ絶対だめ!!」
「なんでだよ。別に会って話をするだけだぞ。見ず知らずの相手ってわけじゃないんだからいいじゃないか」
「おまえ、ままままさかクラウドのこと…っ」
 カンセルはにこりと笑って言ってやった。単純だ。ザックスの反応は予想通り。

「かわいいよな。クラウド・ストライフ」


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